甲状腺とは

甲状腺とは

甲状腺は、のどぼとけ(甲状腺軟骨先端)のすぐ下にある臓器です。重さ10~20g程度しかないのですが、全身の新陳代謝や成長の促進にかかわるホルモンを分泌しています。蝶が羽根を広げたような形をしており、気管を取り囲むように位置しています。

甲状腺疾患について

甲状腺の病気は女性に多く見られます。自覚症状をあまり感じられない方もいらっしゃいますが、検査をしてみると、何らかの甲状腺疾患が見つかることもよくあります。疲れやすい、むくみやすい、便秘がち、冷えなどの症状が見られる方は勿論ですが、特に違和感を覚えていない方も、まずは当院をご受診ください。血液検査やエコー検査などを行い、確定診断につなげます。

バセドウ病

バセドウ病は、甲状腺ホルモンが過剰につくられる(甲状腺機能亢進症を起こす)代表的な病気です。特殊な抗体が産生されるので、これが甲状腺を刺激し、過剰に甲状腺ホルモンを分泌するようになります。他の甲状腺疾患と同様に女性に多い病気ですが、その比率は、男性1人に対して女性4人程度だと言われています。下記のような症状が見られたときは、当院をご受診ください。

主な症状

  • 暑がり、疲れやすい、だるい
  • 目つきがきつい、眼球突出、複視、甲状腺腫大
  • イライラ感、落ち着かない、集中力低下、不眠、甲状腺の腫れ
  • 発汗、脱毛、痒み
  • コレステロール低下、血糖上昇、血圧上昇、肝障害
  • 脱力感、筋力低下、骨粗鬆症、手足の震え
  • 動悸、頻脈、心房細動、心不全、むくみ、息切れ

など

橋本病

橋本病は圧倒的に女性に多く見られ、甲状腺機能低下症の代表的な病気です。甲状腺ホルモンの量が不足して新陳代謝が低下し、全身が老けていくような症状がみられます。無気力になって頭の働きが鈍くなり、忘れっぽくなるので、高齢者の場合は認知症のように感じられるケースもあります。下記のような症状が見られたときは、当院をご受診ください。

主な症状

  • 寒がり、疲れやすい、動作が鈍い
  • 状腺腫大、のどの違和感、ボーッとしたような顔つき
  • 息切れ、むくみ、心肥大
  • 食欲低下、舌の肥大、便秘
  • 脱力感、筋力低下、肩こり、筋肉の疲れ
  • コレステロール上昇、肝障害、貧血
  • 月経不順、月経過多

など

結節性甲状腺腫

甲状腺が大きく腫れてきて、部分的に腫瘤のようなものが出来る病気です。良性のタイプが多いのですが、悪性疾患のこともあります。なお、悪性腫瘍の中には生命予後が極めて悪いタイプもあるので、この見極めが大切となります。結節性甲状腺腫の多くは、甲状腺ホルモンレベルが正常だと言われていますが、甲状腺機能亢進症のような症状が見られることもあります。当院では、様々な検査を通じて確定診断につなげてまいります。