内分泌・代謝疾患について
内分泌は様々な臓器で作られ、体内の恒常性を調節しています。そのため、内分泌に異常をきたすと、様々な体調変化が見られるようになります。当院では、様々な内分泌疾患を治療するとともに、代謝疾患とされる糖尿病や脂質異常症、高血圧症、高尿酸血症などについても対応いたします。
下垂体機能低下症
下垂体機能低下症は、何らかの原因によって下垂体前葉ホルモンの一部またはすべてが十分に分泌されなくなり、様々な問題をきたすようになる病気です。例えば、成長ホルモンの分泌が低下することにより、筋肉量や骨密度に支障が出たり、疲労感を覚えたりします。性腺刺激ホルモンの分泌低下により、男性の場合は精巣萎縮や精子の産出低下、女性の場合は無月経などが起こります。副腎皮質刺激ホルモンの分泌が低下すれば、血糖値や血圧にも影響が及びます。
原発性アルドステロン症
副腎の腫瘍や過形成により、アルドステロンというホルモンが過剰につくられてしまう病気です。アルドステロンは血液中の電解質バランスを調整するうえで重要な役割を果たしています。アルドステロンが過剰になると、尿をつくる臓器である腎臓においてナトリウムが再吸収されやすくなり、塩分が体内に貯留します。その結果、血液の中に塩分と水分が増加し、その血液を循環させるために、血圧が高くなります。
アジソン病
アルドステロンやコルチゾールなどのホルモンの分泌が、生体の必要量以下に慢性的に低下した状態です。症状としては、疲労感、筋力低下、筋肉痛、関節痛、嘔吐、腹痛、下痢、発汗、起立性低血圧、精神的な落ち込みなど、様々なものがあります。治療は、不足するホルモンの補充です。副腎機能の回復は期待できないので、ホルモンの補充療法を生涯にわたって続けることになります。しかし、適切な治療が行われれば、予後は比較的良好で、症状の無い一生を過ごすことが可能です。
褐色細胞種
副腎髄質などにできる腫瘍です。カテコールアミンというホルモンが過剰に分泌されるので、様々な症状が現れてきます。代表的な症状は高血圧、頭痛、発汗過多、代謝亢進、血糖の上昇などです。そのほか、動悸、痩せ、便秘、胸痛、視力障害などが起こることも、しばしばです。腫瘍の摘出が根本的な治療になります。
肥満症
肥満によって糖尿病や脂質異常症などの悪影響がすでに表れている状態です。内臓脂肪が極めて多い方も肥満症に陥っていると考えられます。きちんと治療を受けずに放置していると、骨や関節への負担が大きくなるだけでなく、血管なども痛んでいき、様々な生活習慣病を悪化させる一因となります。大腸がんや乳がん、胆道がんなどのリスクも高まり、難しい治療が必要になるケースも少なくありません。そのような深刻な疾患を招かないよう、お早めに医療機関を受診し、必要な治療を進めるようにして下さい。